ツーリズムEXPOでトルコ館が盛況、旅行者の目的地選びが変わる

ツーリズムEXPOでトルコ館が盛況、旅行者の目的地選びが変わる

ニュースの概要

大阪などで開かれた旅の大型見本市「ツーリズムEXPOジャパン2026」で、トルコ共和国のブースが来場者でにぎわい、盛況のまま会期を終えた。PR TIMESを通じて主催側が結果を発表している。トルコは歴史遺産、食、気球体験などを一度に紹介でき、旅行を決めきっていない来場者の足を止めやすい国だ。会場では観光情報の配布にとどまらず、民族衣装や食の試食、現地の魅力を伝える展示が来場者の関心を集めたとみられる。コロナ禍後の旅行需要が戻るなかで、遠方の目的地が日本人旅行者に再び強く意識されていることをうかがわせる出来事である。

引用元: 「ツーリズムEXPOジャパン2026」 トルコブースが大盛況のうちに閉幕(PR TIMES)

分析・見解

人気の理由は「一国で何度も旅が組める」幅広さ

トルコブースが人を集めた最大の要因は、一つの国の中に旅の動機がいくつも詰まっている点にある。イスタンブールの街歩き、カッパドキアの奇岩と気球、地中海沿いのリゾート、世界遺産の遺跡群まで、目的の違う旅行者が同じブースで自分向けの話を見つけられる。

旅行博は、行き先を決めた人より「何となく気になる」人が多い場だ。入口の広い目的地は、そうした層を取りこぼさない。

試食や体験が「情報収集」を「行きたい」に変える

ブースの人気は、パンフレットの量では決まらない。トルコ菓子やお茶の試食、衣装の試着のように、五感に触れる仕掛けがあるブースほど滞在時間が延びる。ネットで写真や動画を見尽くした世代でも、味や手触りは画面から得にくい。だから会場でしか得られない体験が、来場の価値をつくる。

これは旅行業界全体への示唆でもある。情報の量ではなく、体験の小さな見本を渡せるかどうかが勝負になっている。

遠方の国が人気でも、旅の中身は「ゆっくり型」へ

もう一つ見逃せないのは、旅のスタイルの変化である。かつては「一週間で名所を総ざらい」が主流だったが、近年は一か所に長く滞在し、地元の暮らしに触れる旅が伸びている。トルコでも、観光名所を急いで回る周遊より、カッパドキアの洞窟ホテルに連泊する、市場で食材を買って料理教室に参加するといった過ごし方が増えている。

つまり、人気の国でも、売れる商品は「回数を詰め込む旅」から「深く味わう旅」に移りつつある。国の知名度が高いだけでは選ばれず、滞在の質をどう設計するかが差になる。

為替と運賃が重い中で、旅の「元を取る」意識が強まる

円安や航空運賃の高止まりで、海外旅行の総額は数年前より重くなった。その分、旅行者は一回の旅で得られる満足を厳しく見る。旅行博で複数の国を見比べ、現地の人から直接話を聞いて決める行動は、失敗したくない心理の表れでもある。

主催者や出展国にとって、旅行博は販売の場であると同時に、信頼をつくる場に変わっている。

ビジネスへの影響

旅行会社は「見本市で拾った関心」を旅行相談につなぐ

旅行博で関心を示した来場者は、帰宅後に熱が冷める。これを防ぐには、会場で連絡先を預かるだけでなく、後日の少人数説明会や、季節ごとのモデルコース提案など、行動を促す次の一手が必要になる。たとえばトルコなら、春の花の時期と秋の気球の時期で提案を分けるだけで、相談の入口が増える。

国内の観光地も「体験の小さな見本」を用意する

海外の出展国が人気を集める時代に、国内の観光地が情報の配布だけで戦うのは厳しい。地域の食材の試食、工芸の短時間体験、宿の連泊プランの紹介など、五感に訴える仕掛けを一つ持つだけで来場者の記憶に残りやすくなる。小さな自治体でも、ブースの導線と体験の質は工夫できる。

長期滞在や地域体験の商品を、ゆっくり旅の層に向けて磨く

ゆっくり滞在する旅の需要は、宿泊事業者や体験事業者にとって単価と満足度を同時に上げやすい領域である。連泊割引、地域の人と過ごす体験、静かに過ごせる環境づくりは、価格競争から離れた強みになる。人気の目的地が示すのは、国の名前ではなく、滞在の中身で選ばれる時代の到来である。

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